
公式サイト:WORTH(ワース) 命の値段
公開日:2023年2月23日
鑑賞して来ましたので個人レビューになります
10点満点
9.11の事を知らなくても楽しめます
公開1週間以内の平日PMの回
〇男女6:4
ほぼ同じくらいですですがカップルよりは同姓の連れが多い印象でした
〇席の埋まり 鑑賞時は6割程の埋まり
〇年代 30~60代が多い印象でした
あらすじ
2001年 9.11 アメリカで起きたテロ関連の飛行機の墜落事故
世界中が悲しみの中、家族や恋人、愛する人を亡くし病気、怪我を患い生活がままならい人々もではじめ、国は急ぎ「9.11被害者補償基金」を設立
弁護士「ケン・ファインバーグ」を中心にその対象となる約7000人の加入を目指し活動を始める。
基金を運営する為に必要な人の人生をお金に換算し値段をつける仕事
基金反対派の活動や、周りからの批判、遺族の苦悩、心無い発言など彼自身も心を痛めながらも国や遺族の為に立ち上がったの男の実話である
ここから、ネタバレを含みます。ご注意下さい。
弁護士でも扱う人が少ない!?
今作では弁護士「ケン・ファインバーグ」を中心に物語が進んで行きます
調停を得意とし実績もあるケン
通勤中に9.11が起きて彼の周りの人は被害にあいませんでした
アメリカ国民の1人として国や被害にあった人の為と基金の代表である特別管理人の役職に自ら立候補します
司法長官へ調停の実績や基金の成否で政権が揺れ動くのかをプレゼンし無事に特別管理人の重役につきます
大統領から激励の電話を貰います
最初の仕事は基金の根幹である計算式(ルール)作り
この計算式に合わせ1人1人の値段が決まります
一部からは金持ち、会社の重役クラスを優先にした案に変更しろと話しを持ちかけますが自分の案を貫きます
基金反対派
基金反対派のリーダー「チャールズ・ウルフ」
彼は9.11で奥さんを亡くしています
基金の説明会で参加者が怒りに声を上げる場面も冷静に立ち回り最後はケンに「これから貴方を批判します、明日のサミットに来て下さい」とチラシを渡します
チャールズはブロガーであり事件当日もブログを書きながら奥さんを見送っていました
はじめ基金に参加する人も少なく反対派として活動していたチャールズの方に多くの人が集まります
基金の申し込み締切の2年の間に特別管理人のケン事務所に呼ばれたり、クラシックのコンサートで出会ったりと会うことがありお互いに議論をして行きます
初めは対立している2人ですが締め切りが近くなるとケンがチャールズに悩み相談をすることも
向き合う事ので分かることも
基金設立は被害者を早急に救うのが目的ですが別の目的もありました
「訴訟の回避」
これが裏の目的になります
言わずと知れた訴訟の多い国「アメリカ」
被害にあわれた約7000人この全てが国や航空会社を相手に訴訟を起こすと莫大な時間、費用が掛かり国の経済がたち行かない事を危惧した官僚が基金を立ち上げた経緯があります
国の危機を回避する為、ケンには加入者の最低ライン80%を達成する様に1つのミッションを受けます
被害にあわれた方にも勝てるか分からない裁判を何年もするより直ぐに支援を受け取れるメリットもありますが、はじめは直ぐに受け入れてもらえませんでした
思うよう参加者が集まらず基金のルールを変更できる時間的余裕も無く焦るケン
書類仕事や外部との交渉が主な仕事で、被害者面談をほぼしていないケン
ある日、面談者の記録を読み込み「ルールは必要だ」という思いから少しずつ変わり事務所の方針を一変させます
「被害者家族に徹底的に寄り添う」
1人1人親身に話を聞き、場合により州知事に働きかけたり、近所でFAXを受け取れるお店を探したりするようになります
その事が起点になりチャールズがブログで基金は信用できると書き込むと一気に参加者が増え目標の80%以上の結果をだします
まとめ
弁護士視点でストーリーは進んで行きますが難しい法律の話しはほとんど出ません
堅物な特別管理人・ケンがどう被害者に向き合っていくのか
書面上でしが被害者を見ていなかった、ケンが支援に必要なのはお金だけなのかを疑問に感じ自ら事務所の方向を変え先頭にたって向き合っていく姿はとても頼もしく自身溢れるカッコイイおじさんでした
9.11と重たい内容にはなりますが事件の事より被害者家族との向き合いかたに重きを置いてあるので鑑賞しやすいと思います
是非、劇場で。